◆料理の特長
津軽の赤飯に欠かせないのが、「甘い」、「もち米」、「しとり」という三つの要素。まだ砂糖が高価だった時代、お祭りや盆あるいは田植えの時期に集まった人に対し、もてなしの心を甘い味に宿らせていました。
味付けには、出汁や酒、砂糖等を混ぜたしとりと呼ばれる調味料を用い、この味も家庭ごとの味の違いを生み出すポイントになっています。
◆材料
・米(※もち米・うるち米の比率は家庭や好みによる。もち米のみでもよい)
・小豆(おおむね、お米の5分の1程度)
・しとり(昆布だし、酒、砂糖、塩)
◆つくりかた
1. 小豆は少し堅めに煮てザルにあける。この際、煮汁はお米のつけ汁として用いるのでボウルに取る。
2. お米を小豆の煮汁に一晩つけておく。
3. 昆布だしに酒、砂糖、塩を合わせた「しとり」を作る。しとりの目安は、米1升に対して、だし汁コップ1,清酒コップ1、砂糖(好みに応じて)適量。
4. 水気を切った米に小豆を合わせ、蒸し器で蒸し上げ、米粒が手につかなくなったらボウルなどにあけ、「しとり」を熱い内に絡ませる。
5. 米粒が十分に水気をすったら再び15分ほど蒸し、4~5分むらしてできあがり。
◆ここがポイント ~砂糖を入れた赤飯の甘さ加減とは?~
おそらく、お赤飯が甘いのは甘納豆入りのお赤飯が定着している北海道と青森、あとは一部の地域だけと思われます。つまり、それ以外の県の方々にとっては、「甘いお赤飯」の甘さ加減が、あまりピンと来ないと思われます。
編者は神奈川生まれの人間なので、自分が色々なところで口にした味を基準に、勝手ながら独断と偏見で甘さの程度を言い換えると…
・洋菓子的な甘さとは全く違う。
・和菓子であっても、大福、餡子餅、しとぎ餅のように、食べただけで疲れが取れるような甘さでもない。
・一番近いのは「おはぎ」。それでもそこまで甘くない。
・甘さの位置づけは「甘口」の感覚に近いが、もう少しだけ甘い(「しとり」が調味料として生きているからです)。
という感じです。
ただ、甘さの本質は「とことん甘く」というもの。甘くすること気持ち自体が食文化の源、味の濃さを別として受け継がれるべき物語だと思います。