◆料理の特長
海が遠い津軽地方の農山地域では、頭と内臓を取り除いたスケソウタラを干して水分を飛ばした棒鱈が貴重なタンパク源でした。そんな棒鱈とフキなどの野菜を煮付けたのがこの一品。
今では野菜を変えて年間を通じて食卓に上りますが、昔は田植えの時に食べる一品。田んぼにはこれと赤飯や白飯のにぎりまんまを持って行き、農作業で生まれた空腹を満たしていました。
硬い棒鱈で作るこの料理、その身を水で戻してやわらかくするのに最低でも半日以上を要します。
生鱈を干すことのメリットとして、元々日持ちしない性質の鱈を保存し、水分を飛ばすことで持ち運びしやすくすることもありますが、それと同じぐらいに干すことで、グシュっとした独特の食感と凝縮された旨味が生まれることも一つです。
これを調理する際には、もちろん水で戻してから使いますが、最近ではあらかじめ適当なサイズに切られた棒鱈が売られているものの、あるお店の方にお話を伺うと、「やはり、丸一本の棒鱈を調理するときに切って、水に戻してから調理したほうがおいしい」そうです。