◆料理の特長
海苔の代わりに使われる若生(わかおい)とは、薄く柔らかい1年ものの昆布のこと。津軽半島沿岸で冬場に収穫した昆布を干したものです。
大量の潮が付着した若生をパンパンとはたいて、熱々のご飯を包み込むこのおにぎりは、漁師が沖に出るときや、山菜採りで山に入るときなどに作られていました。
食べる際には繊維に対して直角に歯を当てると、昆布が噛み切れずにお米が昆布から出てきてしまいますが、逆に繊維に沿って噛み切ればスッと切れてくれます。
◆材料
・うるち米…2と1/2 カップ
・水…360cc(米の2割増)
・若生昆布… 15cmの大きさに切ったものを4枚
◆つくりかた
1. ご飯を炊いて20分蒸らす。
2. ご飯をボールにとり4等分する。
3. 手に水をつけて軽くまとめる。
4. ラップの上に若生の切り口を左右に置いて広げ、ごはんを丸く平にのせる。
5. 若生の4すみと周りを内側に折り込んで、真ん中から縦半分に折り、半月型に整える。
◆この料理のポイント ~若生おにぎりの握り方考~
普通の海苔で巻くおにぎりには、三角、丸、俵型、型抜きを使って星型…といった具合に、たくさんの握り方がありますが。実は、若生おにぎりの握り方も一つではありません。
津軽半島の海に面した今別や外ヶ浜では、半月型に包むスタイルを多く見かけますが、五所川原の木造地区などには、海苔巻きのように包み込む握り方があります。
また、丸く握ったおにぎりを若生で包んだり、あるお店で売っている若生のパッケージには、三角形のおにぎりに巻いたりしている絵も、描かれたりしています。
考えてみれば、おにぎりは誰にとってもその存在自体が特別なもの。包み方の違いにこだわるのではなく、お米と一緒に包まれている気持ちをいただくことが、一番大切なのかもしれません。