◆料理の特長
津軽地方の中でも、特に日本海側や西北地域で作られることが多いのが笹餅。6〜7月頃の幅広の笹を使って主に夏場に作られます。また、殺菌作用が強い笹に包むことで日持ちもしっかり。
笹餅自体は全国的に作り食べられるおやつですが、津軽の笹餅の特長はもち粉と小豆餡を混ぜた生地を蒸して餅を作ること。そして小豆色に染まった餅を笹の葉で包むときに紐で縛らず折りたたむように包むこと。
笹のさわやかな香りに包まれた餅は滑らかで歯切れよく、一口目から小豆の優しい甘さが口の中いっぱいに広がって手が止まりません。
地域や作り手によって、つぶ餡で作るやり方とこし餡で作るやり方があるので、道の駅や産直などで見つけて買った笹餅の、葉を開いた瞬間の違いにも小さな楽しみが詰まっています。
◆材料(こし餡版・90個分)
・もち米粉…1.5kg
・小豆…1.5kg
<小豆調理用>
・ざらめ糖…2kg
・塩…25g
<笹の葉加工用>
・笹の葉…90枚
・塩…適量
◆つくりかた(こし餡版)
1. 一晩水に漬けた小豆を煮てこし餡を作る。
2. こし餡にざらめ糖と塩を入れて煮る。この時、あまり固くなるまで煮詰めなくても大丈夫です。
3. 2.が冷めたらもち米粉と混ぜ合わせて一晩寝かせておく。
4. 塩を加えた熱湯で笹の葉をさっと茹でて、すぐに冷水に取る。
5. 笹の水分をふきんで拭き取り、笹の表側に丸めた餅を乗せて、15分ほど蒸せばできあがり。
◆材料(つぶ餡版・90個分)
・もち米粉…1.5kg
・小豆…750g
<小豆調理用>
・砂糖…1kg
・塩…少々
・水…適量
<笹の葉加工用>
・笹の葉…90枚
・塩…適量
◆つくりかた(つぶ餡版)
1. ひたひたに浸る程度の水の量で小豆を煮る。
2. 完全に煮えたら砂糖と塩を加えて2時間ほど煮る。水が減ってきたら少しずつ足しながら、おしるこぐらいの固さの餡に仕上げる。
3. 餡にもち米粉を加えてヘラでかき混ぜて、耳たぶほどの固さに練る。
4. 塩を加えた熱湯で笹の葉をさっと茹でて、すぐに冷水に取る。
5.蒸し布を濡らしてせいろに敷いて、1個分ずつ3.の餅を丸めて並べて20分ほど蒸す。餅の色が濃くなってツヤが出たら蒸しあがり。
6. 笹の水分をふきんで拭き取り、笹の表側に餅を乗せて包む。
◆ここがポイント ~シンプルな材料だからこそ、作り手の小さな工夫がある~
「小豆餡×もち粉の生地を笹で包む」というのが、津軽の笹餅の特長を最小限の言葉にしたものですが、実は地域によって作り方も色々。ここではこし餡とつぶ餡を使った作り方を紹介しましたが、一度蒸したこし餡の餅を笹で包んで、更に蒸す二度蒸しで仕上げる方も。
シンプルな材料で作られるからこそ、「もっと、おいしく」という作り手の思いと工夫が詰まっています。