さめのすくめ

さめのすくめ

◆料理の特長

古くは縄文時代から食されていたという記録と共に、津軽地方の食文化を作り上げてきた食材の一つがさめ。特に県内のサメ漁獲高の9割を超えるアブラツノザメが欠かせません。

身を焼いて田楽で食べたり出汁に使ったりと、生活の中で知恵と工夫を駆使して美味しく食べてきた近しい存在。そんなさめ食文化は今も根強く残り、津軽地方の魚屋さんには切り身と共に頭が置かれているのは日常茶飯事。

さて、酢で包むを語源としているこの料理。ゆがいたばかりのアツアツの頭から身をほぐして、キャベツと共に酢味噌と和えればできあがり。お正月料理としても欠かせない一品、さっぱりとした口当たりから広がるのは淡白な身の旨さとキャベツの甘み。おそらく、初めて食べる方は「何の魚?」となること間違いありません。

さめのすくめ・その2

ところで、この料理の面白いところが、地域によってキャベツを和えるか大根おろしを和えるかが分かれる点。広い津軽地域の中で同じ料理でも色々な顔を持っています。